「おうちラーメンのススメ」と題し、このシリーズでは国内外各地を飛び回り様々なラーメンを啜り、年間500杯以上ものラーメンを啜った年もあるラヲタの筆者がなかなか外に麺活に行けないラーメニスタのみなさんにご自宅でもラーメンを楽しんでいただけるよう、全10回にわたり、おうちラーメンをお手伝いできるような投稿をしていく試みです。
食いしん坊なラヲタが時折口にする「二郎」というワード。それがいったい何なのかラーメニスタのみなさんならご存知のことと思います。慶應義塾大学正門のすぐ横、東京都港区三田に本店を構える「ラーメン二郎」というラーメン店。そのボリューム満点なフォルムや注文時の独特なコールの存在から人々に恐怖を与えることも多い。が、何度か啜ればその魅力に取り憑かれ、中毒者が続出。「ヤバいやつが入っている」「隠し味は麻薬に違いない」などとファンの中では噂されるほどで、この悪魔的なラーメン店の暖簾分け店舗が全国各地にある他、「二郎系」「二郎インスパイア」などとそのヤバさを模したラーメンを提供する店舗も多数存在する‥‥。と、前置きはここまで!
最近、通称「鍋二郎」と呼ばれる持ち帰りラーメンを販売している店舗もありますが、休業している店舗も多いです。その人気の高さからインスパイア系であればインスタント麺や通販などで楽しむことも可能ですが、せっかくなら自分で作っちゃおう!!ということで、比較的手に入りやすい材料のみを使い、さらになるべく簡単に作れるようレシピを改良して作ってみました。コンセプトは「安く、手軽に、簡単に」!ということでハードルの高い製麺を省き、スーパーで手に入る食材だけを使って家二郎(非乳化スープ)を作ってみたいと思います。
家二郎を作ってみよう
本来であればラーメン屋さんは苦労してたくさんの時間と工程を重ねてラーメンを作っています。が、今回はなるべく簡単に作ろうという試みですので完全に再現するというところよりかは近いところまでもっていくということを目標に、大まかに次の手順にて進めて行こうと思います。
- 豚ブロック肉から脂身を削ぎ落とす
- 肉などを圧力鍋で煮てスープを作る
- スープで使った豚ブロック肉を取り出し、ブタ(チャーシュー)を作る
- ブタの煮汁はカエシ(タレ)として使う
- スープから取り出したトッピング用の脂身を細かく砕く
- 市販の麺を使い、それぞれをフュージョン、トッピング
- 完成
だいたい4食分くらいの量ですが、二郎の1人前って量が意味不明なのであくまでも参考値としてください。
スープを作る
一般的には鶏ガラやもみじ、豚骨なんかを何時間もかけてコトコトと煮て作るものなのですが、今回のコンセプトは「安く、手軽に、簡単に」ということでかなり簡易化しています。
材料
- 豚肩ロースブロック … 約500g
- 豚バラブロック … 約500g
- 水 … 約600ml(鍋の大きさで調整)
- ネギの青いところ … 適量
- にんじん … 1本
- にんにく … 1個
- 生姜 … 約50g
肉はスーパーで買うとぴったりの量にならないので、だいたいの量でOKです。
作り方
- まずはじめに、ブロック肉から脂を削ぎ落とします。脂身だけ肉屋で買えたりもしますが、自宅で作ると量が多いのでわざわざ別に買わなくていいと思いますが、“座布団”のコールがデフォルトだよ!っていう方はわざわざ探して購入しましょう。
- 鍋に肉、適当にカットしたネギ、にんじん、にんにく、生姜を投入し具材が浸るくらいまでの水を入れます。私としたことが……生にんにくを買い忘れたので、チューブにんにく大さじ1杯ほどで代用。にんにくを買い忘れなかった偉いあなたは横に半分の輪切りにカットして投入してください。
- お馴染み電子圧力調理器を使いますが、40分セット。圧力鍋の場合は沸騰してから40分。ちょっと長めに煮ます。圧力をかけられない場合、普通の鍋で沸騰させてから弱火で約50分間コトコトと煮てください。このときアクは取らず、旨味と捉えてそのままにしておいてくださいね。
- 所定の時間を煮込み終わったら、圧力を解除して中から肉の塊と、最初に削ぎ落とした脂身をそれぞれ取り分けます。肉の塊はこのあと“ブタ”(チャーシュー)に、脂身は細かく砕いて最後にトッピングとして使う“アブラ”とします。
- 肉の塊と脂身を取り分けたスープはよく混ぜ、一旦休ませます。(今回はやりませんが、お持ちの方はハンドブレンダーで攪拌するとこの場で強制的にスープを乳化できます。)火傷しないよう、粗熱が取れたらザルでこします。もしすぐに使わない場合は一緒に煮込んだ野菜と脂身を含めた状態のまま容器に入れて冷蔵庫などで休ませ、使うときに改めて温め直してからザルでこして使用してください。
ブタ・カエシを作る
本来の二郎はブタ(チャーシュー)用の煮汁とカエシ(タレ)は別々に作りますが、ここではブタの煮汁をカエシに代用します。ブタの煮汁をそのままカエシに使っているため、やや濃いめのブタが出来上がります。
材料
- スープのときの肉の塊 … 適量
- 醤油 … 200cc
- みりん … 150cc
- 水 … 200cc
- 酒 … 50cc
- 砂糖 … 10g
- 味の素 … 15g
- ネギの青いところ … 適量
- 生姜 … 20g
- にんにく … 2片
作り方
- 肉の塊以外を全て鍋に入れ、沸騰させます。私はここでもにんにくはチューブにんにくで代用してしまった悪いやつですが、是非見逃してください。
- 沸騰したら、肉の塊を投入して約5分弱火でコトコトと煮ます。
- 粗熱が取れたら適当な大きさに切って完成!このときの煮汁はそのままラーメンのカエシとして使用します。
※タッパーなどにブタと煮汁を移して保管することになるかと思いますがこの状態でかなり味が染み込んでいますので、ブタを分けるか同じ容器に入れるかはお好みで調整してください。
※スープを作らない!という場合は、生肉にブタの材料を投入し水を100〜200cc程度追加して圧力鍋で40分、普通の鍋で約50分煮込んでください。
麺・ヤサイを茹でて盛り付け
ここまでで作った材料を使って最後の仕上げに入ります。簡易化しているとはいえ、それなりに手間がかかるので私は実際に食べる前日の夜にスープとブタ・カエシを仕込み、翌日に昼食として調理しました。そのため一度タッパー容器にて休ませ、再加熱等を行い調理しています。
材料
- 麺 … 1玉
- カエシ … 50cc
- スープ … 200cc
- アブラ … 50cc(お好みで)
- ブタ … 適量
- もやし … 適量
- キャベツ … 適量
- 生にんにく … 適量
人によって好みのコールがそれぞれあると思いますが、それぞれお好みで調整してくださいね。普段の私は小ラーメンヤサイ少なめカタメアブラニンニクマシマシカラメ、という地獄みたいなコールを唱えるガールですが、家ではちょっと小ぶりな器で食べるので全体的に記載した量よりも少なめに作っています。
作り方
- にんにくは予め刻んでおきます。
- お湯を沸騰させもやしとキャベツをお好みの硬さに茹でます。10〜20秒くらいがちょうどいいと思います。
- カエシを入れたどんぶりに温めたスープを注ぎます。可能な限り、スープを注ぐタイミングに茹で上がるよう麺を茹でます。麺は洗い物が増えるのを気にして野菜と同じ鍋で茹でます。麺は、市販の生パスタ・リングイネを使用しました。
- 湯切りした麺をどんぶりに投入しスープと軽く絡ませたら、ヤサイ、ブタ、アブラ、ニンニク、カラメを投入します。
- Instagramにアップしたり、友達に見せびらかす用の写真を撮影して、完成です。
実食
完成した家二郎はこちら!
いかがでしょうか?私の好みの盛り付けかつ、自宅なのでそこまで量が多くないためなんだか可愛い印象に見受けられますが、かなりそれっぽい見た目です。
市販の麺でもかなりそれっぽい。本来はパスタのために作られた製品ですけど。
非乳化のスープは脂がキラキラとしています。
ブタもとろっとろのほろっほろで新宿小滝橋二郎に似た感じ……。
かなり簡易化していることで、独特の動物臭さだけは本家にかなり劣っています。とはいえ自宅で楽しむのであれば十分なレベルに仕上がったかと思います。
以上、家二郎の紹介でした。いかがでしたでしょうか。ネットでよく見る家二郎レシピは工程が複雑かつ準備するものが多いので、このレシピであれば全く料理しないという方でもチャレンジできるのではないかなと思います。ゴールデンウィーク目前、特に出かける予定も無いという方はニンニクスメルを気にしないで済むこの時期に作ってみてはいかがでしょうか、ラーメン!
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